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■化学性食中毒
有害化学物質による食中毒は、「化学性食虫毒」と分類される。過失によって食品に混入したり、環境汚染物質として食品に残留した場合などに起こる。また、急性毒性を起こさない微量であっても、長期的にみて健康障害をもたらす可能性もある。
■過去の事例
- 酒類へのメチルアルコール混入…発酵酒にはもともと微量含まれているが、1mg/mlまでと許容限度が定められている。
- ヒ素…殺虫剤・殺そ剤として使用される。無臭の白い粉末であり、食用の粉として間違えて使用されることがある。
- スズ…缶詰や缶ジュースの内側のメッキとして使用される。内容物に硝酸塩が多いと、スズが融出しやすくなる。
■自然毒食中毒
日本における食中毒死亡者のほとんどを占める。フグやキノコの毒によるものが多い。
■フグ毒 tetrodotoxin
- フグは、認定を受けた調理師にしか調理出来ないと定められている。
- フグの種類によって、どの部位に毒があるか異なっている。また、各地方によって呼び名が異なることに留意する必要がある。
- テトロドトキシンを完全に分解するには、200℃以上で数十分の加熱が必要。そのため、加熱調理をしても毒素は分解されずに残留する。
- 摂取した場合、数十分から2、3時間で発症。手指の運動障害・発声障害などが起こり、骨格筋の麻痺、呼吸困難から意識不明に至り死亡する。
■シガテラ中毒 ciguatera
- 熱帯、亜熱帯のさんご礁の魚などによって起こる。
- シガトキシンと呼ばれる毒素が食中毒を起こす。
- 摂取後12時間ほどで、感覚異常、麻痺、下痢等の症状が起こる。死亡例は少ないが、完全な回復には時間がかかる。
■麻痺性貝中毒
- 貝に含まれるサキシトキシン(saxitoxin)による食虫毒。北米・英国・北海沿岸地域などで主に発生し、死者も多い。日本では定期的に貝を採取し、毒性試験をして捕食禁止などの措置をとっている。
- 耐熱性は強く、通常の加熱調理では無毒化されない。
- 摂取後30分以内に舌や唇などにヒリヒリとやけ付くような感覚が現れ、体全体へ麻痺が広がり、呼吸困難で死に至ることがある。
■下痢性貝中毒
- ムラサキイガイ、ホタテガイなどの二枚貝により起こる。ペクノトキシンなどの毒素が原因。発生は6〜8月に集中している。
- 食後30分〜4時間ほどで、下痢・嘔吐などの症状が出る。
■毒キノコ中毒
- 件数が多いのはツキヨタケによるもの。ヒラタケと良く似ている。
- 死亡例が多いのはタマゴテングダケ。シメジと間違われる。
- 日本の山野で取れる食用キノコは数百種、毒キノコは30〜50種ほど。俗説による毒キノコの見分け方は間違っていることも多々あるので、正しい知識の修得が必要である。
- 毒キノコ中毒は素人が遭うものと思われがちだが、実際は毎年キノコを採取している"キノコ採り名人"が多くの事故を引き起こしている。
■ジャガイモ中毒
- ジャガイモの芽などに含まれるソラニンが原因物質。
- ソラニンには耐熱性があり、通常の加熱調理では残存する。
- 摂取後数時間で、腹痛、めまいなどの症状が出る。
■青酸配糖体含有植物による中毒
- ウメ、アンズ、リンゴ、ナシ、アーモンドの果実・種子などには青酸配糖体が含まれる。
- 腸内細菌の作用で、青酸配糖体から青酸(シアン化水素HCN)が生成される。
- 摂取すると、嘔吐、痙攣、呼吸困難などの症状が現れる。
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